口呼吸で起こる上顎前突(出っ歯)・下顎前突(受け口)・開咬

口呼吸と不正咬合(上下の歯が適切に噛み合っていないこと)は、密接に関係しています。
不正咬合は、舌の押す力と口の周りの筋肉の力のバランスによって起こります。

私たちの歯の並ぶ位置は、各々のパーソナリティーに合わせて並ぶべくして並んでいます。同じ歯並びは世にふたつと存在しません。
歯列の内側には舌があり、外側には口唇や頬がありますが、歯は舌と口唇(頬)の中間の、内外からの力のバランスがとれたところに並ぶようになっています。

上図の○は正常で、舌の先は正しい位置にあります。
この場合はもちろん鼻呼吸で、上の顎の成長を上あご口蓋を押すことにより促進し、鼻腔を温めることにより繊毛の動きが活発になり、正常な機能を助けます。
問題になるのは×の低位舌の場合です。
上あご(口蓋部)にまったく力がかからず、ほっぺ(頬筋)の力だけがかかるのでますます上の歯列が狭くなり、狭窄歯列弓(きょうさくしれつきゅう)やV字型歯列弓(ぶいじがたしれつきゅう)などをつくり、その低位舌の先がどこを押しているかによって上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開咬のいずれかになります。