皆さんが思っておられる以上に、身体への害だけではなく、口呼吸になるため、むし歯・歯周病にも悪影響を与えます。
写真は、25歳で脳梗塞になった喫煙者の方のお口の状態です。歯周病でバイオフィルム(ネバネバの細菌の固まり)を形成してネバネバの状態です。歯ぐきが痛く、来院されましたが、ひどい鼻づまりがあり、口呼吸で口は常に大きく開いたままです
喫煙されていると、50歳を超えてから顕著に結果がでてきます。
この前も、ちょっと前まで元気だった患者さんが足をひきずっておられ、「何かあったのかな?」と思ったら、脳梗塞になっておられました。若年性の場合は喫煙者が多いです。
そして口呼吸とも密接に関係しています。煙草を吸う時に鼻で吸う人を見たことはありません。吸っている間は必ず口呼吸をしながら、肺に煙を送りこんでいるのです。その煙草の煙の化学物質(4000種類以上)によって常に上咽頭の場所が炎症状態になっていて、風邪をひいた状態、つまり鼻づまりを起こしやすいのです。喫煙者がよく鼻をブギブギさせているのは、このためです。煙草を吸うと、肺のフィルターの役目をしている「肺胞」(わかりやすく例えますと、スポンジ海綿の小さな穴のようなものです)に、ニコチンの黒色がタール状にねちゃっとこびりついている状態になります。空気を吸おうと思っても吸えないのです。
若い時はまだまだ空気の通る隙間がありますが、50歳を超えた頃からだんだんと隙間が無くなって、どんどん空気を吸えない状況になります(肺気腫)。その結果、皮膚のハリがなくなってきて、目じり・口周りなどのしわが増え、老け顔(スモーカーズフェイス)になります。毎日患者さんを診ていれば、煙草のデメリットはよくわかります。まさに百害あって一利なし。歯や歯ぐきの着色(メラニン色素の沈着)、口臭、白髪、頭髪の脱毛なども伴います。