◆知覚過敏とは
知覚過敏とは乱暴な歯磨き、硬い毛、毛先の形状で歯のつけ根が削れたり（くさび状欠損）、歯ぐきが下がって歯の根っこが露出するとむし歯でもないのに歯にしみて痛いという状態をいいます。
歯の象牙質には目に見えない象牙細管という管が通っています。歯の表面に冷たい水・風、アイス、酸（食べ物、飲み物の酸）、プラークが着いて刺激されると、この管の奥にある神経の終末が痛みを感じるのです。
◆知覚過敏の原因
① 一番大きな原因は、歯ブラシで歯の根元（象牙質）を知らないうちに削ってしまうこと（くさび状欠損）。乱暴な力、硬い毛、毛先の形状等に問題がある可能性が高いです。
② 噛み合わせが悪かったり、食いしばり・歯ぎしりする癖があると、歯のつけ根の
部分に力が集中して、歯の横の象牙質が飛んでしまいます（写真）。
③ 口腔内細菌の働きによって作られる酸が歯を溶かすほか、食べ物や飲み物の中の酸（特にレモンなどの柑橘類、パイナップルなど）によっても一時的になることがあります。
◆知覚過敏とむし歯の見分け方 【重要！】
① むし歯の初期症状の歯がしみる痛みは知覚過敏とよく似ていますが、熱いものがしみるなら、むし歯の可能性が高いです。
② 知覚過敏は冷たい水、風、アイス、酸（食べ物、飲み物）、刺激が加わった時だけ痛みが出ます。何もしていない時にズキズキ痛んだら、それはむし歯による痛みです。
③ 歯みがきの時に歯ブラシを当てるとチクッと痛いけれども、他の時は痛くないというのは、知覚過敏です。
◆知覚過敏の治療方法
① 今の歯みがきが原因であることが多い（乱暴なみがき方、歯ブラシの硬い毛、毛先の形状）ので、これらを変えてしばらくすると、たいがいの知覚過敏は自然と治すことができます。特に歯みがきの時、歯ブラシを当てる時だけチクッと痛い場合は、歯ブラシを変えてみましょう。それだけで治ることがあります。
② 歯科医院では、象牙質を守る知覚過敏用コーティング剤を患部に塗り、くさび状欠損部位に樹脂を充填します。
③ 歯周病の場合はそれを治療し、噛み合わせ、歯ぎしりが原因の場合はマウスピースを着用して歯の負担を減らします。歯ぎしりする場合は口呼吸になっていますから、口呼吸を治すことも重要です。
④それでもダメな場合は、神経まで炎症が及んでいますから、神経を取ります。（抜髄）これは最終手段です。